こんにちは。
いにしえの世界に触れて、しばしの現実逃避。
お能の謡本を読む会です。
「又加賀の国より佛御前と申す白拍子、罷り上り。浄海の御目に懸りたき由を申し候へども」
(またかがのくによりほとけごぜんともうすしらびょうし、まかりのぼり。じょうかいのおんめにかかりたきよしをもうしそうらえども)
【単語】
加賀の国 >>> 今の石川県南部
申す >>> 申し上げる、「言ふ」の〈謙譲語〉
白拍子 >>> 平安末期に起こった歌舞を舞う遊女
罷り >>> 参上する、身分の高い人のもとに行く意の〈謙譲語〉「罷る」の連用形
上り >>> 地方から都へ行く「上る」の連用形
浄海 >>> 平清盛が出家した後の名
目に懸り >>> 目にとまり
由 >>> 趣旨
【文法】
たき >>> 希望の助動詞「たし」の連体形
※「〜したい」と訳します
候へ >>> 丁寧の補助動詞「候ふ」の已然形
※「〜ます」と訳します
ども >>> 逆接の接続助詞
※「〜けれども」と訳します
【現代語訳】
「また、石川県から佛御前と申し上げる白拍子が上京し、清盛邸に参上し、清盛様にお目にかかりたい旨を申し上げましたけれども」
祇王御前のライバル登場です。
銀座の夜のお店を想像してもらえるとよいかと思います。
佛御前は、自分も権力者の愛人になりたいという思いからアポなしで清盛邸を訪ねるのです。
きっと自信と覚悟があったのだろうと思います。
人生ワンチャンあるかも!
そんな時、あなたは動きますか?