祇王1

こんにちは。

古典文学に触れ、かりそめの現実逃避。

お能の謡本を読む会です。

 

今回は「祇王」です。

平清盛が権力を握っていた頃の物語。

清盛の愛人だった祇王御前が主人公です。

 

平家物語にも祇王の物語があります。

平家物語には、悲しみの中で生きる女性が、たくさん出てきます。

祇王もそのひとり。

 

謡本のワンフレーズをご紹介します。

「浄海掌に天下を収め給ひ。」

 

【単語】

浄海 >>> 平清盛が出家したときの名

>>> 手のひら

 

【文法】

給ひ >>> 〈尊敬〉の補助動詞「給ふ」の連用形

※ 「〜なさる、お〜になる」と訳します

 

【現代語訳】

「清盛様は日本を手中にお収めになり」

 

清盛は、時の最高権力者になったということです。

出家の理由は、自分の身体に不安があり長く生きるためだったと言われています。

つまり、自分のためだったのです。

 

祇王」のお能では、平清盛は出てきません。

あまりにも権力があったので、畏れ多くて演じられなかったそうです。

舞台では、客席のVIPを清盛に見立て、役者はそちらの方に向かって演じたようです。

室町時代のVIPは将軍様ですね。

 

そんな清盛の愛人となったのが祇王でした。

祇王はどんな気持ちで、清盛に仕えていたのでしょうか。